この記事の要点
医師会・産業保健総合支援センター・紹介会社・地域型サービスの違い、費用の決まり方、50人未満が使える無料支援、訪問産業医の選び方を医師が整理しました。
執筆・監修:小正 晃裕(医師・日本医師会認定産業医。詳しいプロフィールは記事末尾)|最終更新日:2026年10月19日
この記事でわかること
- つくばの企業が産業医を探す4つの方法と、それぞれの向き・不向き
- 費用の決まり方と、従業員50人未満の会社が使える無料の選択肢
- 「訪問してくれる産業医」をつくばで確保するときの注意点
つくばで「訪問できる産業医」をお探しの方へ(この記事の執筆元)
筆者は現役の医師・産業医です。当社MeIXは、関東および近畿地方を中心に嘱託産業医を月5万円〜(税別)、オンラインのスポット面談を1回 20,000円〜で提供しています。つくば市周辺の事業場への訪問もご相談を受け付けています。従業員50人到達前の準備段階のご相談も歓迎です。→ お問い合わせフォームはこちら(メールでお返事します)
まず確認:自社に産業医が必要か
常時使用する労働者が50人以上となった事業場では、産業医を選任すべき事由が発生した日から14日以内に産業医を選任し、遅滞なく所轄の労働基準監督署へ選任報告を行う必要があります(労働安全衛生法第13条・労働安全衛生規則第13条)。事業場単位のカウントなので、つくば市内の事業場が50人なら、その事業場に産業医が必要です。
50人未満の場合は選任義務はありませんが、メンタルヘルス対応や健診後のフォローの必要性は規模に関係なく生じます。後述のとおり、無料・低コストの選択肢もあります。
産業医制度の基本は、当コラムの「産業医とは?役割・仕事内容・選任義務を医師がわかりやすく解説」で詳しく解説しています。
つくばの企業が産業医探しでつまずきやすい理由
業種や規模を問わず、産業医を探すときは、次の点がハードルになることがあります。
- 訪問できる医師の確保と日程調整──嘱託産業医は、職場巡視などで事業場を訪れる必要があります。事業場の所在地によっては、訪問できる医師を探し、日程を合わせるのに時間がかかる場合があります
- 全国型サービスだと「訪問できる医師」が見つかりにくいことがある──契約はできても、担当医師が遠方で訪問日程が組みにくいケースがあります
- 50人の壁を越えるタイミングが読みにくい──産業医は、選任すべき事由が発生した日から14日以内に選任する必要があります(労働安全衛生規則第13条)。採用拡大中の企業では、人数が50人に達してから探し始めると間に合わないことがあります
- 業種によって求めるものが違う──業種によって、産業医に相談したいことの重心が変わります(例:製造業は現場巡視と作業環境、研究開発やIT系はメンタルヘルス)
こうした事情を踏まえて、選択肢を整理します。
つくばで産業医を探す4つの方法
方法1:地域の医師会に相談する
茨城県医師会・地区医師会に相談し、地域の認定産業医を紹介してもらえる場合があります。
- 向いている会社:地元とのつながりを重視する会社、時間をかけて探せる会社
- 注意点:必ずしもすぐに紹介されるとは限らず、条件(訪問頻度・報酬・業務範囲)の調整は自社で行う必要があります
方法2:産業保健総合支援センター・地域産業保健センターを使う(50人未満なら無料の支援あり)
各都道府県には産業保健総合支援センター(さんぽセンター)が設置されており、茨城には茨城産業保健総合支援センターがあります。事業者向けの相談対応や研修を無料で提供しています。
特に従業員50人未満の事業場は、地域産業保健センター(地さんぽ)で、健診有所見者への医師・保健師による健康相談や、長時間労働者への医師の面接指導などを無料で利用できます。茨城県内の窓口は、茨城産業保健総合支援センターのサイトで確認できます。
- 向いている会社:50人未満で、まず無料でできることから始めたい会社
- 注意点:利用回数や対応範囲に限りがあり、継続的・包括的な産業保健体制の代わりにはなりません
方法3:全国型の産業医紹介サービスを使う
全国展開の大手産業医サービス会社に依頼する方法です。医師のネットワークが広く、選任を急ぐ場合の対応力は高い一方、つくば周辺の担当医師が確保できるか・訪問頻度や交通費の扱いは案件によります。
- 向いている会社:選任を急ぐ会社、複数拠点(首都圏含む)をまとめて依頼したい会社
- 注意点:担当医師が固定されるか、地域事情(社風・業種)を理解した対応が受けられるかは事前に確認を
方法4:つくば周辺・関東を拠点とする産業医と直接またはサービス経由で契約する
つくば周辺・関東に拠点を置く産業医・産業医サービスと契約する方法です。距離が近いため訪問のフットワークが軽く、緊急時の対応も受けやすいのが強みです。
当社(株式会社MeIX)もこの選択肢のひとつです。当社では、関東および近畿地方を中心に、嘱託産業医を月5万円から、オンライン完結のスポット面談を基本料金 20,000円〜(業務時間30分まで)から提供しています(税別・料金の詳細はこちら)。
つくばで産業医を選ぶときの費用比較|月額・訪問料・スポット面談の違い
| 探し方 | 費用(税別) | 向いている会社 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| 地域産業保健センター | 無料 | 50人未満 | 回数・範囲に制限 |
| 医師会・直接契約 | 医師・契約条件ごとに個別(訪問時間・回数で変わる) | 地域性重視 | 条件交渉・契約書は自社対応 |
| 全国型紹介会社 | 各社の公表料金を確認(紹介手数料等が別途かかる場合あり) | 急ぎ・多拠点 | 担当医の拠点・固定を確認 |
| 関東系サービス | 各社の公表料金を確認 | 訪問重視 | 交通費・面談上限を確認 |
| MeIX(当社) | 嘱託産業医 月5万円〜/スポット面談1回 20,000円〜 | つくば周辺で相談したい会社 | 訪問対応は関東および近畿地方(他地域は要相談) |
金額差は主に「業務範囲」(法定業務のみか、健康相談・復職支援・ストレスチェックまで含むか)と「訪問頻度」で生じます。見積もりを比較するときは、月額だけでなく「訪問1回あたりの滞在時間」「面談件数の上限」「メール相談の可否」を揃えて比べてください。
「月5万円」に何が含まれるのか(当社の例)
料金を比べるときは、金額よりも「何が含まれるか」が重要です。参考に、当社の嘱託産業医(月5万円〜・税別)に含まれる業務を示します。
- 月1回の職場巡視
- 衛生委員会への出席(委員として)
- 長時間労働者への面接指導
- ストレスチェック高ストレス者への面接指導
- 健康診断結果に基づく就業判定・意見(意見書の作成を含む)
- 月次活動報告書
健康相談・復職や両立支援の面談・メール相談は、月の対応時間の中で対応します(対応時間に応じてお見積り)。ストレスチェックの実施者の職務は月額に含み、集団分析の報告を付ける場合は解析分を別に契約する設計です。他社と比較する際も、この粒度で「含まれる/含まれない」を確認することをおすすめします。
全国型紹介会社と地域密着型サービスの違い
| 観点 | 全国型紹介会社 | 地域密着型のサービス(当社等) |
|---|---|---|
| 医師の数 | 多い(全国ネットワーク) | 限られる |
| 担当医師の拠点 | 案件による(遠方のことも) | 訪問先に近い医師を手配できるか事前に確認 |
| 訪問のしやすさ | 日程調整に時間がかかる場合あり | 近距離でフットワークが軽い |
| 地域事情の理解 | 一般的 | 地元の企業文化・商習慣に馴染みがある |
| 向いているケース | 全国多拠点・とにかく急ぎ | 関東中心・訪問と相談のしやすさ重視 |
どちらが優れているかではなく、自社の拠点構成と重視ポイントで選ぶのが正解です。
選任までのモデルスケジュール(50人到達が見えている会社向け)
| 時期 | やること |
|---|---|
| 50人到達の3ヶ月前 | 候補ルートの洗い出し(本記事の4つの方法)/予算の目安決め |
| 2ヶ月前 | 2〜3社(者)から見積もり取得/面談または顔合わせで相性確認 |
| 1ヶ月前 | 契約条件の確定(訪問頻度・業務範囲・相談体制)/契約締結 |
| 到達月 | 選任(14日以内)/労基署へ選任報告/衛生委員会の設置準備 |
| 到達翌月〜 | 初回訪問・職場巡視/年間計画の策定 |
見積もり比較チェックリスト
複数の候補を比べるときは、月額料金だけでなく以下を揃えて比較してください。
- 訪問1回あたりの滞在時間(60分か、90分か)
- 面談件数の上限(月何件まで含まれるか、超過時の料金)
- 訪問外の相談体制(メール相談の可否・返信目安)
- ストレスチェック・高ストレス者面接指導の扱い(含む/別料金)
- 担当医師の固定(毎回同じ医師か)と拠点(どこから来るか)
- 契約期間の縛りと解約条件
想定ケース:つくば周辺の会社はこう選べる
ケース1:従業員60名の製造業(つくば市内の工場)──採用拡大で50人を超え、選任義務が発生。月1回の職場巡視と衛生委員会への出席を軸に、嘱託産業医(月5万円〜)を契約。ポイントは「巡視で作業環境や安全面の気になる点を医師の目で確認し、衛生委員会の議題に反映する」運用にしたこと。
ケース2:従業員55名の研究開発・IT系企業──メンタルヘルス不調の予防と、長時間労働者への面接指導の体制づくりが動機。毎月の巡視・委員会は訪問、面談の一部はオンラインとして、訪問時間を巡視と委員会に集中させた。ストレスチェックの高ストレス者面接指導も同じ医師が対応。
ケース3:従業員30名の小売・サービス業(シフト勤務)──選任義務はないが、シフト勤務で体調やメンタルの相談先が欲しいという動機。地域産業保健センターの無料サービスを確認しつつ、必要な場面でオンラインのスポット面談(1回 20,000円〜)を利用。50人に近づいた段階で嘱託産業医へ移行する前提で、早めに候補を比較。
ケース4:従業員120名・複数拠点の物流・運送業(つくば市内と首都圏に事業場)──夜勤・長時間労働が多く、拠点ごとの体制が課題。産業医の選任は事業場単位のため、50人以上の拠点ごとに体制を整理し、対応エリア内の拠点は訪問で一括契約、50人未満の拠点はオンラインで補完する設計に。
※いずれも典型例として構成した想定ケースです。
つくばで「訪問できる産業医」を確保するときの3つの注意点
- 担当医師の拠点を確認する──契約先の会社が全国対応でも、実際に来る医師がつくば周辺にいるとは限りません。訪問のたびに遠方から来る場合、日程調整が難しくなりがちです
- 訪問とオンラインの組み合わせを設計する──毎月の職場巡視・委員会は訪問、面談の一部はオンライン、といった組み合わせで費用と質のバランスを取れます
- 50人直前なら早めに動く──採用が進んでいる会社は、50人到達の2〜3ヶ月前から探し始めると、14日以内の選任期限に余裕を持って対応できます
よくある質問
Q1. つくば市周辺の事業場でも訪問してもらえますか?
A1. ご相談を受け付けています。訪問頻度や日程の設計を含めてご提案します。つくば市外(茨城県内の他の市)も個別にご相談ください。オンライン産業保健サービスであれば地域を問わず対応可能です。
Q2. つくば市のほか東京や他県にも拠点があります。まとめて頼めますか?
A2. 産業医の選任は事業場単位なので、50人以上の拠点ごとに体制が必要です。当社は関東および近畿地方を中心に訪問対応しているため、この地域内の複数拠点を一括でお受けできます。対応エリア外の50人未満の拠点はオンライン産業保健サービスで補完する設計が可能です。
Q3. いま契約している産業医から乗り換えられますか?
A3. 可能です。現契約の解約条件(予告期間)を確認のうえ、引継ぎのスケジュールを新旧で重ならないよう設計します。健診・ストレスチェックの時期を避けて切り替えるのがスムーズです。
Q4. 従業員30人ですが、何から始めればよいですか?
A4. まずは地域産業保健センターの無料サービスの確認と、月数万円のオンライン産業保健サービスやスポット面談の比較をおすすめします。今後、従業員50人未満の事業場にもストレスチェックの実施が義務化されるため(令和10年〔2028年〕4月1日施行)、早めの体制づくりが安心です。
まとめ
つくばで産業医を探す方法は、主に医師会・産業保健総合支援センター・全国型紹介サービス・地域型サービスの4つがあります。自社の規模・急ぎ度合い・求める業務範囲で選ぶのが失敗しないコツです。
株式会社MeIXは、メールでのご相談に、貴社に最適な選択肢を率直にお答えします。お問い合わせはこちら。
なお、リモート(オンライン)産業医であれば、訪問エリアにかかわらず全国どこでも対応できます。50人未満の事業場や単発の面談は、オンラインのみで完結できます。詳しくはリモート(オンライン)産業医とはをご覧ください。
あわせて読みたい
- 産業医とは?役割・仕事内容・選任義務を医師がわかりやすく解説
- 嘱託産業医(関東および近畿地方)のサービス詳細
- リモート(オンライン)産業医とは|オンラインでできること・実地が必要なこと
- 東京で産業医を探す方法|費用の決まり方・選任義務・無料支援を医師が解説
参考・出典
労働安全衛生法・労働安全衛生規則(e-Gov法令検索)/茨城産業保健総合支援センター/地域産業保健センター(こころの耳・厚生労働省)
本記事に記載の法令・通達は、2026年9月16日時点の内容を確認しています。法令・通達は改正されることがありますので、実務では最新の原文をご確認ください。

