この記事の要点
産業医の報酬相場が気になる方へ。「月〇万円」だけでは比べられない理由と、嘱託・専属・スポットの違い、金額差が生まれる4つの要因、見積もり比較のチェックリストを整理しました。MeIXの料金例(嘱託産業医 月5万円〜・税別)も掲載しています。

執筆・監修:小正 晃裕(医師・日本医師会認定産業医。詳しいプロフィールは記事末尾)|最終更新日:2026年10月19日

この記事でわかること

  • 産業医の費用が、契約形態(嘱託・専属・スポット)と業務範囲でどう決まるか
  • 「月〇万円」に何が含まれ、金額差はどこで生まれるのか
  • 費用を抑えつつ機能させる現実的な方法
  • 見積もりを正しく比較するためのチェックポイント

産業医の費用は「月いくら」という数字だけを見ても比較になりません。同じ月額でも、含まれる業務量がまったく違うためです。産業医の役割そのものは「産業医とは?」で、選任義務は「産業医の選任義務はいつから?」で解説しています。本記事は費用に特化して整理します。

契約形態ごとの費用の考え方

契約形態費用を決める主な要素
嘱託産業医(常時50〜999人の事業場)訪問頻度・滞在時間・面談件数・業務範囲で月額が決まる
専属産業医(常時1,000人以上の事業場など)雇用(採用)に近く、給与などの雇用条件で決まる
スポット(単発面談・相談等)1回あたりの業務時間と、作成する書類(意見書・所見書など)で決まる

産業医の報酬について、法令で定められた金額はありません。料金は事業者ごとに異なり、同じ月額でも含まれる業務量が違います。そのため本記事では、一般的な「相場」の数字は示さず、金額を決める要因と比べ方を整理します。当社の料金と含まれる業務は、次の見出しで公開しています。

従業員の人数で、必要な体制はどう変わるか

費用を考える前に、まず自社にどの形の産業医が必要かを確認します。法令上、必要な体制は事業場の人数で決まります。

事業場の人数(常時)法令上の扱い主な選択肢
50人未満産業医の選任義務なし地域産業保健センター(無料)、オンラインでの医師への相談、スポット面談
50〜999人産業医1人の選任義務(専属でなくてよい)嘱託産業医(訪問)、訪問とオンラインの組み合わせ
1,000人以上(一定の有害業務に500人以上が従事する場合を含む)専属の産業医が必要専属産業医
3,001人以上産業医2人以上専属産業医を複数

(労働安全衛生法13条、同法施行令5条、労働安全衛生規則13条1項3号・4号)

同じ嘱託でも、人数が増えるほど面談の件数や、健康診断の結果を確認する量が増えます。そのため、訪問時間や面談枠をどこまで含めるかで料金が変わります(後述の「4つの要因」)。

ストレスチェックや保健師を組み合わせる場合

産業医の契約とは別に、次の費用がかかることがあります。見積もりを比べるときは、どこまでが産業医の料金に含まれているかを確認してください。

  • ストレスチェック:実施者の業務、集団分析、高ストレス者の面接指導を、産業医の契約に含めるか、別の契約にするかで総額が変わります。当社の場合、実施者のみは年2万円〜、集団分析まで含む解析ありは年4万円〜(20人まで)です(いずれも税別)。高ストレス者の面接指導はスポットで1件から承ります。
  • 保健師:保健指導や日常の健康相談を保健師に任せる会社もあります。保健師を別に雇用・契約するか、産業医の業務に含めるかで、費用の組み立てが変わります。
  • 健診後の対応:就業判定や意見書の作成が月額に含まれるかどうかも、会社によって違います。

「月〇万円」に何が含まれるのか

料金を比べるときは、金額よりも「何が含まれるか」を見てください。参考として、当社MeIXの嘱託産業医(月5万円〜・月1時間・税別)に含まれる業務は次のとおりです。

  • 月1回の職場巡視
  • 衛生委員会への出席(委員として)
  • 長時間労働者への面接指導
  • ストレスチェック高ストレス者への面接指導
  • 健康診断結果に基づく就業判定・意見(意見書の作成を含む)
  • 月次活動報告書

健康相談・復職や両立支援の面談・メール相談は、月の対応時間の中で対応します(対応時間に応じてお見積り)。ストレスチェックの実施者の職務は月額に含み、集団分析の報告を付ける場合は解析分を別に契約する設計です。他社と比較する際も、この粒度で「含まれる/含まれない」を確認することが、料金比較の第一歩です。

▶ プランごとに含まれる業務と料金は「産業医サービス 料金一覧」で比較できます。

金額差はどこで生まれるのか(4つの要因)

同じ50人規模の会社でも産業医の費用が変わるのは、主に次の4点の違いによります。

  1. 業務範囲──法定業務だけか、健康相談・復職支援・健康経営支援まで含むか。含むほど業務量が増え、料金も上がります。
  2. 訪問頻度・滞在時間──月1回60分か、90分か、月2回か。時間が長いほど、また回数が多いほど高くなります。
  3. 面談件数──面談が多い会社(休職者・長時間労働者が多い)は、超過分が加算される契約が一般的です。
  4. 地域・交通費──訪問エリアや交通費の扱いで変わります。遠方だと交通費が上乗せされることがあります。

つまり「安い=お得」ではなく、「必要な業務がその金額に含まれているか」で判断すべきということです。

費用を抑えつつ機能させる3つの方法

費用は抑えたいが、機能しない産業医は結局高くつきます。現実的なコスト最適化は次の3つです。

  1. 法定業務に絞ったプランから始める──まず法定範囲でスタートし、必要に応じて健康相談・復職支援を追加する段階設計にする。
  2. 訪問とオンラインを組み合わせる──職場巡視・衛生委員会は訪問、面談の一部はオンラインにして、訪問時間を圧縮する。
  3. ストレスチェックと産業医を同じ契約にまとめる──別業者に分けると「高ストレス者を面談する医師が職場を知らない」分断が起きがち。まとめると割安かつ一気通貫になります。

見積もり比較チェックリスト

複数の候補を比べるときは、月額だけでなく以下を同じ条件で揃えて比較してください。

  • 訪問1回あたりの滞在時間(60分か、90分か)
  • 面談件数の上限(月何件まで含まれるか、超過時の料金)
  • 訪問外の相談体制(メール相談の可否・返信目安)
  • ストレスチェック・高ストレス者面接指導の扱い(含む/別料金)
  • 担当医師の固定(毎回同じ医師か)と拠点(どこから来るか・交通費)
  • 契約期間の縛りと解約条件

50人未満の会社が費用を抑える選択肢

選任義務のない50人未満の会社は、無料・低コストの選択肢も使えます。地域産業保健センター(地さんぽ)では、健診有所見者への健康相談や長時間労働者への医師の面接指導などを無料で利用できます。これにオンライン産業保健サービス(産業医の選任を伴わない契約。当社は月3万円〜・税別)やスポット面談を組み合わせると、低コストで医師への相談ルートを確保できます。

なお、労働者数50人未満の事業場にも、ストレスチェックの実施義務が拡大されます(令和10年〔2028年〕4月1日施行)。早めに低コストの体制を作っておくと、義務化への移行がスムーズです。

▶ 当社のオンライン産業保健サービス(月3万円〜・税別)は「オンライン産業保健サービス」、1回から使える医師面談は「スポット(2万円〜・税別)」をご覧ください。

よくある質問

Q1. 産業医の費用は誰が負担するのですか?

A1. 会社(事業者)の負担です。産業医の選任・活動に要する費用は事業者が負担します。

Q2. 交通費は料金に含まれますか?

A2. 契約によります。月額に含む場合と、実費を別途請求する場合があります。遠方の場合は特に、見積もり時に交通費の扱いを確認してください。

Q3. 一番安い産業医を選べば問題ないですか?

A3. 月額だけで選ぶのは危険です。「安いが訪問時間が短く面談枠もない」産業医は、いざというときに機能しません。訪問時間・面談枠・相談体制を揃えて比較してください。

Q4. スポット(単発)だけの利用は可能ですか?

A4. 可能です。選任義務のない会社や、特定の面談・相談だけ必要な場合に向いています。基本料金2万円(業務時間30分まで・面談は15〜20分程度)から利用できます。

Q5. 産業医の報酬の相場はいくらですか?

A5. 産業医の報酬に、法令で定められた金額はありません。同じ月額でも、含まれる業務の量は会社ごとに違います。そのため本記事では、一般的な相場の数字は示していません。比べるときは、訪問時間・面談枠・含まれる業務を揃えて見積もりを取ってください。当社の料金は「料金一覧」で公開しています。

Q6. ストレスチェックで産業医に頼むと、費用はどのくらいですか?

A6. 実施者の業務・集団分析・高ストレス者の面接指導を産業医の契約に含めるか、別契約にするかで変わります。当社の場合、実施者のみは年2万円〜、集団分析まで含む解析ありは年4万円〜(20人まで)です(いずれも税別)。高ストレス者の面接指導はスポットで1件から承ります。

まとめ

産業医の費用は、「業務範囲・訪問頻度・面談件数・地域」で決まります。比較の際は同じ条件で見積もりを揃え、「含まれる業務」で判断してください。

株式会社MeIXは、嘱託産業医を月5万円(月1時間)から、オンラインのスポット面談を基本料金2万円(業務時間30分まで)から、料金を公開して提供しています(いずれも税別)。「うちの規模・業種だといくらか」の概算もお出しできます。お問い合わせはこちらから(メールでお返事します)。

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参考・出典

労働安全衛生法・労働安全衛生規則(e-Gov法令検索)/厚生労働省 産業保健関連情報

本記事に記載の法令・通達は、2026年9月16日時点の内容を確認しています。法令・通達は改正されることがありますので、実務では最新の原文をご確認ください。